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こんにちは。理学療法士の喜多一馬です。
今回は、今後、病院へ就職活動を行う理学療法士の方に知って頂きたい観点についてご説明します。
これまで、理学療法士が就職先を決める際は、

 

「実習先でお世話になった」
「治療技術や知識を吸収出来る場所」
「家から近い」
「学校の先生の紹介」

 

…等の理由が多かったと思います。しかし、医療業界(病院経営)を取り巻くトレンドが変化してきたことから、現在のトレンドを把握した上で、情報を収集し、病院への理解を深めた上で、就職活動を行うことが求められる時代になっていると考えます。

 

「そんな事情知っておく必要あるの?」
「給料が下がるとか言われているけど、それでも医療職だから大丈夫でしょう!」
「セラピストとしての技術を磨いていけば大丈夫でしょう!」

 

このように考えている方も沢山いらっしゃるかと思いますが、本当にそうでしょうか?医療業界の変化を知りながら、一緒に考えていきましょう。


トレンド1:国は医療費を節約しなければいけない!

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  • 高齢化社会
  • 医療新技術の投入(新しい精密機器は高価なんです)
  • 疾病構造の変化(薬価が高騰する中、慢性疾患が増加)

などにより、日本の医療費は年々膨れ上がっています。2006年には約32兆円2010年には約36兆円・・・、このままのペースでは、2025年には50兆円を突破すると言われています。国家予算の内、医療費だけでこんなにかかってしまっては大変な事態になります!そのため、国は2025年までに、医療費を抑えようと躍起になっているわけです。

 

 

トレンド2:病院が儲からなくなる?

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医療費抑制策の一つとして『「7対1」入院基本料の病床削減』というものがあります。

「7対1」とは、看護師1人に対して患者様が7人の体制で看護している病棟のことです。この病棟の維持には、多数の看護師が必要であることから、高い入院基本料が設定されているため、この体制がとれる病院は高い収益を上げることが可能となっています。しかし、現在、約36万床ある「7対1」病床は、2025年には約18万床に削減される方針がとられています。この方針による多額の医療費抑制が見込まれてのことです。

 

「え?看護師が沢山居れば、そのままでいいんじゃないの?」

 

と考えるかもしれませんが、患者重症度、在宅復帰率、在院日数等の要件が厳しくなるため、多くの病院が体制の変換を余儀なくされことでしょう。そして「7対1」がとれなくなった病床は、「10対1」等の入院基本料が低いものへ転換しなければなりません。つまり、今よりも収益が大きく下がってしまう病院が沢山出現してしまうわけです。

 

これは、我々療法士に関連の強いリハビリテーション病棟についても同様です。
今後、高い収益を上げることが出来る「施設基準Ⅰ」は、充実したリハビリテーション(休日の実施、高い実施単位数等)が必要となっていきます。「施設基準Ⅱ」になれば、これもまた大きな収益の低下に繋がります。このような状況は、「7対1」や「回復期リハビリテーション病棟」以外でも様々な形で変化しています。

 

 

では何故、療法士がトレンドを知る必要があるのか?

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ご紹介した事情は、病院経営に直接関わる管理職にとっては、対策を講じる必要があるために、必ず知っておかなければならない問題です。しかし、中堅、新人、学生もしっかりと理解しておかなければいけません。その理由の一つとして、就職・転職活動が挙げられます。

 

「この病院は、今後の医療情勢の変化にどのような対策を取っていくのか?」

 

この観点を持って、就職活動を行わなければなりません。

  • 今後に向けてしっかりと動き始めている病院
  • 病棟体制を変更することで収益が下がる病院
  • 今後の方向性を全く検討していない病院

病院によって様々な事情を抱えているため、しっかりと情報収集を行うことが必要になるでしょう。財務状況が不安定で方針が定まっていない病院や、収益が下がってしまう病院では、

  • 昇給やボーナスが見込めない、低い給料で働かなければならない
  • いつ潰れるかヒヤヒヤしなければならない

などの状況に常に晒される可能性が高いと言えるでしょう。また、それらの状況により労働環境が悪化すれば、ストレスに直結し、そのストレスが雰囲気の悪い職場を作りだし、精神衛生的にも良くない状況に陥ってしまうことも考えられます。そんな職場で働くことは、かなり辛いものです。


いかがだったでしょうか?
ご紹介したような観点を持って就職活動を行うことが、今後の療法士には必要だと考えています。良い職場で働くために、就職活動も頑張って行いましょう!

 

(参考HP)
1:R25, http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/report/?id=20130408-00029065-r25, (2015年10月1日)
2:東京保険医協会, http://www.hokeni.org/top/medicalnews/2013medicalnews/130925byousyou.html, (2o15年10月1日)

 

 

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