こんにちわ、医療系マジシャンの高橋真人です。
Part2の記事「患者様のモチベーションを高める言葉のマジック(Part2:言葉と脳の関係性)」で、以下2点についてご説明させて頂きました。

・セラピストがかける言葉によって、人の身体の反応は変わること。
・セラピストの声かけは大切だが、セラピストと患者様との間に信頼関係が構築されていないと、どんな言葉も相手には響かないこと。

そのため、今回は「セラピストの声が相手の芯まで届く信頼関係の作り方」についてお伝えさせて頂きます。

 

ラポールによる信頼関係の構築

上述のとおり、前回は「そもそもセラピストの言葉は相手との信頼関係が無いと、何も響かない」と説明しました。これは催眠をかけるときも同じで、必ず術者は相手とのラポールを築くようにアプローチします。

“ラポール(ウィキペディアより)
セラピストとクライエントの間に、相互を信頼し合い、安心して自由に振る舞ったり、感情の交流を行える関係が成立している状態”

このラポールが築けないと、絶対に信頼関係は生まれないですし、催眠にはかかりません。そのため、まずは相手に同調することから始めます。相手に合わせ、「自分はあなたの味方です」「あなたを受け入れます」というメッセージを暗に込めていく訳です。

 

 

医療の現場におけるラポール形成

さて、これをセラピストに置き換えると、この同調は問診をやる前から始まっています。私は整形外科クリニックに勤務しているので、患者様を待合室からリハ室へ呼ぶ所から同調は始まります。

問診前

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例えば、名前を呼んでさっさと自分はリハ室へ先へ行ってしまうのか、はたまた、一緒に歩いて笑顔で案内するのか。それだけで相手がこちらに感じる印象は大きく変わり、ラポール形成に影響します。

もっと細かく言えば、手を差し伸べて「こちらのベットにお掛けください。」と丁寧に案内するのか、患者様が勝手に座るのを待つのかでも全く異なります。(※セラピストの指示で患者様に座ってもらった方が主導権を生み易いです。但し、ここでは「同調」の話をしますので、「主導権」については、次回詳しくお伝えします)

 

問診中

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そして問診をスタートさせる時にまず意識しなければならないのが、表情です。最初は基本的に笑顔です。

  • 表情を豊かにして、相手の感情に合わせて下さい。

「ここが辛くて…」
「こんな時はもう我慢できないくらい…」
「夜も寝れなくて…」

と辛い症状を訴えている時は、こちらも辛そうな表情をして、相手の感情に合わせて下さい。そして、相手の感情を拾って下さい。

「それは大変でしたね〜。」
「それはだいぶ痛そうでキツイですよね〜。」
「それだと寝不足で疲れも取れないですよね〜。」

  • 一言でも良いので相手の感情を拾う言葉をかけて下さい。

「はい。夜間痛があるのですね。」と、サラッと流してはダメです。

 

 

自費の世界では当然の接客

ちなみに私は学生の頃に、60分で7000円するような整体院でバイトをしていました。

  • 自費の世界では、ラポールうんぬんではなく、相手の感情を拾うのは当たり前な接客です。

それができないとリピートされないですし、厳しい指導が入ります。PTとなると、勝手に患者さんは来てくれます。指名制度も無いですし、リピートを考える必要もありません。その環境が患者様とのコミュニケーションの大切さを忘れさせる(意識させなくなる)要因になっています。いきなり患者様とタメ口で話すPTもいますが、その辺が原因かと思います。  

 

 

ただの相談役にならないための主導権

催眠でのラポールという観点でも、接客という観点で考えても、相手に同調することはとても重要です。ポイントは「相手の感情を拾う」ことです。そして拾ったら、それに全力で同調して下さい。それが信頼関係を築く第一歩です。次回は、先ほど少し述べました「主導権」についてお伝えします。

  • ハッキリ言って、同調するだけでは 、ただの相談役でしかありません。

そこからセラピストの言葉を信用してもらい相手を良い方向に導くには、相手を自分の世界へ引きずり込み、ペースを握る必要があります。そのためには「主導権」が必要不可欠なのです。そんな主導権の握り方を次回はお伝えしていこうと思います。

 

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