理学療法士の喜多一馬です。

2016年、皆様は良いスタートを切れたでしょうか?
今年もcareer PTで様々な知識をつけていきましょうね!

 

学習性無力感とは?

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 「学習性無力感」とは、「逃れられない不快な刺激」を受け続けると、自分ではどうすることも出来ないと思うようになり、その結果、無気力になるという理論です。

 

 

「学習性無力感」に関する実験

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セリグマンという心理学者が、犬を用いた有名な研究を行っています。

 音が鳴ると、犬に電気刺激が与えられます。
そこで、犬は「音と電気刺激」が関連している事を学習し、音が鳴った瞬間、電気刺激の流れない部屋に逃げるようになります。
しかし、電気刺激のない部屋へ逃げられないように、セリグマンは柵を作ってしまうのです。
悪い人ですね。

最初、犬は一生懸命逃げようとするのですが、柵があるので、もちろん逃げられません。
犬は次第に逃げられないことを悟り、とうとう逃げようとすらしなくなってしまうのです。
これが最初確認された「学習性無力感」です。
犬がとっても可哀想ですね。
人間においても、犬と同様に「学習性無力感」に陥ってしまうことが報告されています。

 

 

臨床で生かすために

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 学習性無力感は、「人のやる気が低下していく」ことを述べた理論です。
臨床においては、患者様のやる気が低下しないように、我々療法士がどのように関わるべきかを教えてくれます。

【課題設定】
・「どれだけ練習しても上手く出来ない…。」
このように、患者様のやる気が低下しないように、難しすぎる治療課題を設定しないようにしましょう。
そして、出来たことはしっかり伝えるようにしましょう!

【声掛け】
・上手く出来ていないことばかりに注目した声掛けを行っていませんか?
患者様は療法士からの声掛けを重要と感じています。
何気ない一言が、療法士が思う以上のダメージを与えているかもしれません。

 【出来なかった原因を伝えているか】
課題遂行出来なかった原因は何だったのか、これを明確にすることが重要です。
「今はまだ、歩行練習は早すぎた」、「偶然、天気が悪くて不調だった」
「人が多すぎて、リハビリに集中できなかった」など、出来なかった原因は様々あります。
患者様に、「乗り越えることが出来る!」、そんな認識を持たせることによって、学習性無力感に陥りにくいと考えられます。

我々療法士の何気ない一言によって、患者様は学習性無力感に陥っているかもしれません。
患者様のやる気を引き出す、そんな療法士になりましょう!

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