こんにちは、キャリアPT野口です。
2月に入り、一気に寒くなりましたね…。皆様、いかがお過ごしでしょうか?

 さて、今回のテーマは、2016年度に行われる「診療報酬改定」についてです。
診療報酬改定によって、どのような影響があるのか、そもそもなぜ改定が行われようとしているのか。
まだ、イマイチ内容が分からないという方、そういえば気になっていたという方もぜひご覧下さい!

 

 

2016年度の診療報酬改定の内容

現在、回復期リハビリテーション病棟の病床数は、大きく増加傾向にあります。
厚生労働省は1日6単位以上を提供している施設において、必ずしもその効果が上がっていない医療機関があるとし、
次期診療報酬改定では、一定の基準で回復期リハビリテーションの効果を上げていない医療機関は1日6単位以上の算定を認めないとする案を中医協総会に提出しました。
この案が実現されると、回復期リハビリテーション病棟はじめ、医療機関全体への大打撃が予想されます。

 

 

なぜ回復期リハビリテーションは増加したのか?

患者数の増加

回復期リハビリテーションは、皆さんご存知の通り、脳血管疾患など、体を動かすことに支障が生じるような患者様や、
治療は終了したが自由に動くことが出来ない患者様が対象です。

下の表を見てください。

【表1】日本人の死因順位

ランキング
引用:はじめてのガン保険 公式ホームページ

日本では、古くから脳血管疾患は死因の第1位でした。
昨今では、脳血管疾患での死亡数は減少してきましたが、依然高い順位にあります。
脳血管疾患だけに注目しても、回復期リハビリテーション病棟を必要としている患者様が多いことが分かります。
患者数が多い=ニーズが多いと捉えることもでき、病院としても経営強化につながりますよね。
そのため、回復期リハビリテーションは急激に増加することになりました。

 

国の医療費抑制のため

回復期リハビリテーションは、2000年に設置されました。
設置された狙いは、急性期と慢性期との谷間で、適切なリハビリをされないまま、退院しそのまま寝たきりになったり、自宅復帰出来ずにいた患者様が多くいました。
その結果、日常生活を満足に送ることが出来ず、再び入院するという悪循環が発生しました。
それに伴う医療費増加の抑制を狙い、回復期リハビリテーションが設置され、患者数の増加とともに、順調に成長してきました。

 

 

診療報酬減少の背景

次に、なぜ厚労省は、回復期リハビリテーション病棟の診療報酬を減少させようとしているのでしょうか?
従来、厚労省は回復期リハビリテーション病棟からの請求に従って、医療費を支払っていました。
しかし、医療費が国の財源を圧迫していく中、厚労省としては、出来るだけ医療費を抑えたいと思いますよね。
そこで、「リハビリをした分、本当に効果が上がっているのか」を調べた結果、以下のような結果が出てきました。

 

0017

 

0019

 

引用:中央社会保険医療協議会 個別事項(その5:リハビリテーション)

上の2つのグラフは、グラフは、回復期リハビリテーション病棟で、1日6単位以上リハビリを行っている医療期間であっても、10日当たりのADLの向上が3単位超6単位未満の医療機関を下回っているケースがあったことを示しています。

つまり、「リハの提供量が多い」=「ADL改善度合いが高いわけではない」ということです。
もちろん、全ての回復期病棟がこのような結果を示すわけではありませんが、厚労省としては、患者様を受け入れ、適切なリハを提供し効果が出ている病院を見極め、正確に評価することで医療費を抑えたいのです。
言い換えると、厚労省としては、「リハビリを1日6単位以上行っている病院には、追加加算料などを支給しているのに、効果が変わらない、6単位を超えた分のリハビリや診療報酬代を払うのは、もったいない」となったわけです。

 

 

診療報酬改定によって、どのような影響が起こるのか?

ここまで、診療報酬改定の背景について述べてきました。
では、実際に診療報酬減少で、どのような影響が起こるのでしょうか?

 病院での診察数が減少

 0003 (6)

筆者作成

上の図を見て下さい。
従来であれば、1人の患者につき9単位あったので、1日1単位ずつ患者のリハビリを行うとすると、病院は1週間のうち、9コマ稼働することになります。
しかし、2016年度以降の診療報酬改定によって、患者1人当たりの単位数は9単位から、6単位まで減少します。
それによって、従来通り1日1単位ずつ患者を診ていくと、週に6コマしか稼働出来ません。
従来通り稼働しようと思うと、その分、患者数を増やす必要があります。
果たして、病院が自力で集客が可能なのかというと、決して簡単なことではないですよね…。

 

PT達への診療報酬が減少

診療報酬

筆者作成

例えば、患者1人につき3人のPTが担当していたとします。
従来であれば、9単位をPT3人で分け合う形になります。
しかし、2016年度以降は、単位数が6単位に減少するので、PT3人で6単位を分け合うことになりますよね。
そうすると、PT1人につき、1単位ずつ診療報酬が減少することになります。

つまり、2016年度診療報酬改定」では、PTへの報酬が減少するだけではなく、
病院の診療数も減少し、経営自体にも大きな影響を与える可能性があるのです…。

 

今後について

では、現在、回復期で働いているPT達はどうすればよいのでしょうか?
まずは、診療報酬改定の現状や、PTを取り巻く状況はどうなっているのかをご自分の目で見て確認することが必要です。
「キャリアPT」では、今後も多くの情報を発信していきますので、ぜひご覧下さい!

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