やる気理論を臨床に活かす:「まとめ」編
こんにちは!理学療法士、喜多一馬です。
いよいよ「やる気理論」シリーズのまとめです。
これまで、「自己効力感」、「内発的動機付け」(Part1、Part2)、「期待価値理論」、「学習性無力感」、「フロー理論」など、
「やる気理論」で有名なものを、ピックアップしてお伝えしてきました。
今回は、最終回として多くの理論を紹介した理由について触れながら、まとめていこうと思います。
パーフェクト理論が存在しない!
やる気理論には、多くの種類があります。 何故そんなにたくさんの理論が存在しているのでしょうか?
実は、どんな状態でも解説出来る「パーフェクト理論」が存在しないからです!
例えば、、、
「自己効力感」の視点から考えると「内発的動機付け」の部分が説明出来ない・・・。
「内発的動機付け」と「フロー理論」って似ているけど、ちょっと視点が違う・・・。
というように、有名なやる気理論であっても、多くの語り切れない視点があります。
そのため、1つの理論だけで、人のやる気を解説することは難しいのです。
また、いくつかの理論で似ている部分がある理由は、ある理論から発想を得て、別の理論が派生して生まれているためです。 人のやる気を知るって、とっても難しい事なんです。
多角的な視点から考察しなければならない
パーフェクト理論が存在しないため、私たち療法士は、患者様へのアプローチ方法を多角的に評価していく必要があります。
例えば、痛みがある患者様を診る際には、
・筋肉痛かな?
・もしかして骨折?
・いやいや心因性かも?
・ただの擦り傷かも?
このように様々な仮説を立て、検証していく必要があります。
人のやる気も、様々な視点から考察することが必要です。
・課題難易度が高いのかな?
・楽しいと思ってないのかな?
・頑張っても仕方がないと思っているのかな?
・ 失敗経験ばかりさせてないかな?
こんな風に様々な仮説を立てていきます。
痛みの評価には様々な知識や技術が必要なように、やる気の評価にも様々な知識や技術が必要になってきます。
最後に
私は PT2 年目の頃、ひょんなことから、やる気理論の勉強を始めました。
「こんなの臨床で意味あるのかな~?」 と最初は思っていたのですが、勉強が進むにつれて、患者様への対応が出来るようになっ ていきます。
患者様のやる気を高める方法を知っていると、自分が介入する時だけでなく、困っている同僚の手助けにもなります。
また、どうしてもやる気を高めてあげることが出来ない患者様も、その理由がはっきりとすることで、良い意味で気が楽になり、他の視点からアプローチすることが出来ます。
リハビリテーションに関わる者にとって、「患者様のやる気」は奥の深いとっても大切なものだと思います。
私もまだまだ勉強中ですが、さらにレベルアップして、やる気を引き出せる療法士になっていきます。
皆様も、やる気を高めることが出来る療法士になって下さい!